肥満症
肥満症とは、単に太っている状態ではなく、肥満が原因で健康に悪影響を及ぼす状態を指します。
肥満症の定義・診断
肥満(BMI≧25)と判定された方のうち、さらに<1>あるいは<2>を満たす場合に肥満症と診断されます。
<1>肥満に起因ないし関連する健康障害(下記11項目:①-⑪)のいずれかを有する場合
<2>内臓脂肪型肥満の場合(腹部CT検査で内臓脂肪面積≧100cm2)
肥満症の診断基準に含まれる健康障害
- 2型糖尿病、耐糖能異常
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症、痛風
- 心筋梗塞、狭心症
- 脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)
- 脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
- 月経異常、女性の不妊
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低喚起症候群
- 運動器疾患(変形性関節症など)
- 肥満関連腎臓病
なお、体格指数(BMI)とは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出される指数で、BMIが25以上の場合に肥満と判定されます。
肥満症の症状
肥満症の主な症状は以下の通りです。
- 体重増加
- 息切れ
- 倦怠感
- 関節痛
- 睡眠時無呼吸症候群
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 痛風
肥満症の原因
肥満症の原因は、エネルギーの摂取量と消費量のバランスが崩れることです。具体的には、以下の要因が考えられます。
- 高カロリーの食事
- 運動不足
- 睡眠不足
- ストレス
- 遺伝的要因
- 内分泌疾患
肥満症がリスクを上昇させる病気の種類
肥満症は、様々な病気のリスクを上昇させます。主なものに、以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 心疾患
- 脳卒中
- がん
- 睡眠時無呼吸症候群
- 骨粗鬆症
- 脂肪肝
- 胆石症
- 関節炎
- うつ病
これらの病気は、いずれも生活の質を大きく低下させる可能性があります。
肥満症の治療法
肥満症の治療法は、何より生活習慣の改善が基本です。具体的には、以下のことが重要です。
食事療法
カロリー摂取量を減らし、栄養バランスの良い食事を心がける。
運動療法
適度な運動を習慣化する。
生活習慣の改善
睡眠不足やストレスを解消する。
生活習慣の改善だけでは難しい場合は、薬物療法や手術療法などの治療法もあります。
肥満症についてのまとめ
肥満症は、生活習慣病をはじめ、様々な病気の原因となる深刻な病気です。早期発見・早期治療が重要です。