咳
咳は、私たちの体に何か異物が入り込んだり、刺激を受けたりした時に起こる自然な防御反応です。気道から異物を排除するために、粘膜を刺激し、反射的に咳をしようとします。
咳の原因
咳には、大きく分けて2つの原因があります。
- 気道への異物の侵入
ほこり、煙、ウイルス、細菌などの異物が気道に入ると、咳反射が起こります。 - 気道の炎症
風邪やインフルエンザなどの感染症、喘息、気管支炎、逆流性食道炎などの病気によって気道が炎症を起こすと、咳が出やすくなります。
咳が引き起こされる病気
咳は、以下のような様々な病気の症状として現れることがあります。
- 感染症
風邪、インフルエンザ、肺炎、結核、百日咳など - アレルギー性疾患:
喘息、アトピー性咳嗽、アレルギー性鼻炎など - 慢性閉塞性肺疾患 (COPD)
- 慢性気管支炎
- 逆流性食道炎
- 心臓疾患:心不全など
- 肺がん
咳の処置や治療法
咳の治療法は、咳の原因によって異なります。
感染症
ウイルス性の感染症の場合は、基本的に対症療法となります。解熱剤や咳止め、鼻水止めなどの薬で症状を緩和します。細菌性の感染症の場合は、抗菌薬を服用します。
アレルギー性疾患
抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬などの薬で治療します。
COPD
気管支拡張薬や吸入ステロイド薬などの薬で治療します。
逆流性食道炎
胃酸を抑える薬や、食生活や生活習慣の改善を行います。
心臓疾患
心臓の病状に合わせた治療を行います。
肺がん
手術、放射線治療、化学療法などの治療を行います。
長引く咳について
咳が3週間以上続く場合は、「遷延性咳嗽」または「慢性咳嗽」と呼ばれる状態になることがあります。このような長引く咳の原因としては、上記以外にも以下のようなものが考えられます。
咳喘息
気道が過敏になり、ちょっとした刺激でも咳が出やすくなる病気です。
副鼻腔気管支症候群 (PKS)
鼻炎や副鼻腔炎の炎症が気管支にまで及ぶ病気です。
薬の副作用
一部の薬の中には、咳の副作用が出るものがあります。
心因性咳嗽
ストレスや精神的な負担などが原因で咳が出る病気です。
長引く咳がある場合は、早めに医療機関を受診し、原因を特定することが大切です。
咳についてのまとめ
咳は、私たちの体に何か異物が入り込んだり、刺激を受けたりした時に起こる自然な防御反応です。咳の原因は様々ですが、多くは一時的なもので、自然に治癒します。しかし、長引く咳や、他の症状を伴う咳の場合は、病気のサインである可能性があります。早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。