耐糖能異常
耐糖能異常とは、血糖値が高くなる傾向がある状態です。糖尿病の前段階とされ、放置すると糖尿病に進行する可能性があります。大雑把な言い方になりますが糖尿病予備軍と呼ばれることもあります。
耐糖能異常は、糖尿病ではありませんが、心筋梗塞などの動脈硬化疾患の発症リスクは高くなります。
耐糖能異常の症状
耐糖能異常は、自覚症状がほとんどないことが特徴です。しかし、以下の症状が現れることがあります。
- 喉の渇き
- 多尿
- 疲労感
- 体重減少
- 視界のぼやけ/視野の違和感
- 手足のしびれ
これらの症状は、糖尿病の症状と共通しています。
耐糖能異常の原因
耐糖能異常の原因としては、以下のものが考えられます。
- 食生活の乱れ:高カロリー食、高脂肪食、炭水化物偏重など
- 運動不足
- 肥満
- 遺伝的要因
- ストレス
- 加齢
- 薬剤の副作用
耐糖能異常の病気の種類
耐糖能異常には、以下の3種類があります。
- 正常高値:空腹時血糖値が100~109mg/dL
- 境界型:空腹時血糖値が110~125mg/dL、あるいは食後2時間血糖値が140~199mg/dL
- 糖尿病型:空腹時血糖値が126mg/dL以上、あるいは食後2時間血糖値が200mg/dL以上
耐糖能異常の治療法
耐糖能異常の治療法としては、以下のものがあります。
- 生活習慣の改善:食事療法、運動療法、禁煙
- 薬物療法:血糖値を下げる薬
- 生活習慣の改善は、耐糖能異常を改善し、糖尿病の発症を予防する上で最も重要な治療法です。
食事療法
食事療法では、以下の点に注意する必要があります。
高カロリー・高脂肪食を控え、野菜や果物を多く摂取する
炭水化物は、白米よりも玄米や雑穀米を選ぶ
間食を控える
運動療法
運動療法では、週に3~5回、30分以上の運動を習慣にすることが目標です。
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- サイクリング
など、自分が楽しめる運動を選ぶことが大切です。
禁煙
喫煙は、糖尿病の発症リスクを高めることが分かっています。禁煙は、耐糖能異常の改善にも効果があります。
薬物療法
生活習慣の改善だけで血糖値を十分にコントロールできない場合は、血糖値を下げる薬を服用する必要があります。
耐糖能異常についてのまとめ
耐糖能異常は、自覚症状がほぼないため早期発見・早期治療が重要です。生活習慣の改善を心がけ、定期的に健康診断を受けましょう。
補足
- 血糖値:血液中のブドウ糖の濃度
- 糖尿病:血糖値が慢性的に高くなる病気
- 空腹時血糖値:朝食前など、何も食べていない状態で測定する血糖値
- 食後2時間血糖値:食事をとってから2時間後に測定する血糖値